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ここでは、ITエンジニアの仕事が過酷でブラックになりやすい理由についてまとめました。また、働き方改革を中心とした企業の労働環境改善の動きについても紹介しますので不安に感じる方は是非参考にしてみてください。
IT業界にブラック企業が多いというのは本当でしょうか?なぜそのように思われるのか、ITエンジニアの仕事内容や環境を参考にブラックになりやすい理由について解説します。
ITエンジニアの人手不足は長く続いており、経済産業省の調査によると、2018年の段階ですでに、2030年には最大約79万人のエンジニア不足になると試算しています。こうした人手不足は過酷な労働環境を生み出す要因となります。
需要が衰えない状況ではエンジニア一人あたりの業務量が増加し、長時間労働を余儀なくされるでしょう。それが常態化することにより、ブラックな労働環境から抜け出せなくなってしまうのです。
IT業界は建設業の多重下請構造と似ているといわれます。大企業の案件を二次請け、三次請け中小企業が支えている状態のことです。下請けの企業は安価で厳しい納期を強いられても親会社に逆らうことができません。
その結果、末端企業で働くITエンジニアは残業や休日出勤は当たり前で、労働環境は過酷になります。また、要件定義や設計など上位システムは親会社が担当するため、下請け企業は単純な作業ばかりになってしまうのです。
すべてのITエンジニアが該当するわけではありませんが、24時間稼働システムの開発業務では、夜間や休日に作業を行わなければならないこともあります。特にメンテナンス作業については利用者数が少ない深夜に行うケースが多くなります。
代休・振休がしっかり取得できる会社であれば問題ないですが、人手が足りないと休みが取りにくい状況が生まれます。また、夜間・休日出勤が多いと、家族や友人と過ごす時間が少なくなりストレスを感じることもあるでしょう。
顧客相手のシステム開発では、急な仕様変更が発生することは珍しくありません。これは、設計段階での顧客と開発側の認識のズレや、開発の途中段階で顧客からの要望追加などで発生します。
こうした突発的な仕様変更は当初の開発スケジュールにはないため、納期に間に合わせるためには残業や休日勤務などで対応しなければなりません。すでにテストまで終了しているものをやり直すなどITエンジニアの負担は大きくなります。
ブラックといわれるIT業界の労働環境の問題については、国を含め多くの企業が把握しており、すでに改善の動きも出ています。ここでは、その中身について紹介します。
厚生労働省が働き方改革としてさまざまな実行計画を進めています。その一つが、長時間労働是正や多様で柔軟な働き方実現のための法整備です。例えば「時間外労働の上限規制」では大臣告示ではなく、時間外労働の上限時間を法定化しました。
また、IT業界の働き方改革の一環として「ワーク・エンゲージメントと創造的協働を高める10の提言」を示しています。これは、生活スタイルの多様性を認める・多様なキャリアを後押し・お互いが認め合う組織風土など働きやすさに重点を置いたものです。
厚生労働省の「働き方改革」に応えるように、多くの企業が残業時間削減やエンジニア数に合わせ業務量抑制など労働環境改善に取り組んでいます。なぜなら、人手不足が続く中でブラックな労働環境では優秀なエンジニアを確保できないからです。
以前のような「人手不足だから長時間労働も仕方がない」のではなく、「人手不足だからITエンジニアを大切にする」に切り替わってきています。今後さらに整備されればITエンジニアの将来は明るいものになるでしょう。
これまで説明したように、ブラックなイメージが強いIT業界も良い方向に変化してきています。ITエンジニアができることは、将来に向けたキャリアパスをしっかり描きそれに沿って進んでいくことです。
これから転職を検討している人は、そうした自分の将来への考え方を企業にぶつけてみて、それをサポートする体制があるかどうか確認してみてください。それが厳しい労働環境から脱却するための方法の一つでもあります。
IT業界の労働環境は、かつて「ブラック」と言われる側面がありましたが、今では国の政策や企業努力によって改善の動きが進んでいます。これからのエンジニアには、自らのキャリアと働き方を見直し、安心して成長できる職場を選ぶ力が求められます。過酷な環境を当たり前にせず、自分に合った選択で未来を切り拓きましょう。
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